アルコール依存症

アルコール依存症とは

アルコール依存症とは、お酒の飲み方をコントロールできなくなった状態のことです。仕事においては、飲み会での逸脱行為、飲み過ぎによる遅刻や欠勤、勤務中のアルコール臭などが問題になります。何よりも酒を優先してしまい、経済的困難や病気、家庭内暴力、別居や離婚などにつながります。

アルコール依存症の現状

 厚生労働省は2014年、アルコール依存症の患者は全国で推計100万人を超えたとの調査結果を発表しました。男性は95万人、女性は14万人で、女性は10年前の約2倍に増えたとのことです。以前、アルコール依存症といえば、中年男性が酒好きが高じて生活に支障をきたすというイメージがありました。しかし、近年では、女性の社会進出が進み、お酒を飲む機会が増え、女性のアルコール依存症の患者が増えたとみられています。また、定年退職、配偶者との死別などの背景から、高齢者の患者も増えています。

どこまでいくと「依存症」なのか?

 お酒を飲むことは悪いことではありません。楽しみのひとつであったり、お酒を飲むことでリフレッシュできるのなら、明日への活力となります。言わば”良い依存”ともいえるでしょう。

 

 これが気晴らしの手段になっていくと、次第にハマっていってしまいます。しかし生活への支障が見れらず、周りの注意もまだ聞き入れられる状態なら、まだ習慣のレベルといえるでしょう。

 

 これがエスカレートすると病気のレベルになります。こうなると、本来やるべきことをそっちのけでお酒に走ったり、周囲の声が耳に入らなくなったりします。お酒なしには居られなくなり、やめたくてもやめられなくなってしまいます。生活や体に支障が出ます。これが依存症の状態です。

早期発見が大切

 アルコール依存症も他の病気と同様、早期発見が大切です。早期に発見し、できるだけ早く専門家に相談すると、乱れた飲酒生活が定着する前に生活改善がしやすく、治療の経過が良い傾向にあります。