アルコール依存症の定義
WHOによるアルコール依存症の定義を紹介します。
1.飲酒行動の変化
(1)飲酒量、飲酒時刻、飲酒機械に対する抑制の減弱
(2)飲酒行動の多様性の減弱(同じパターンで飲酒を続ける)
(3)負の強化に対する飲酒の反応性の変化(飲酒による問題が起こっているにも関わらずやめられない)
2.主観的状態の変化
(1)飲酒抑制の障害ないし不能(飲みだしたら止まらない)
(2)渇望
(3)飲酒中心性、ないし強迫的飲酒欲求(なによりも飲酒を優先する生活)
3.精神生物学的状態の変化
(1)離脱期の症状:不快感情、自律神経症状、振戦(ふるえ)、幻覚、発作、振戦せん妄
(2)離脱症状軽減のための飲酒
(3)耐性
この定義にあるように、アルコール依存症には主に次のような症状がみられます。
1.節酒や酒量のコントロールができない。
・お酒をコントロールできない
・連続飲酒
2.断酒すると離脱症状が現れる。
・離脱症状
3.問題飲酒が生じる。
・周囲を巻き込む
・依存の自覚がない
・自殺企図をしてしまう
4.健康に重大な問題が起こる。
・脳に異常が起こる
・肝臓をはじめ様々な病気になる
アルコール依存症は物質依存
依存は物質依存と行為依存に分かれます。アルコール依存症は物質依存に含まれます。
物質依存とは食べ物や飲み物などの物質に執着する依存です。対象はアルコールやタバコ、カフェイン、薬物などです。精神的な快楽を得るための依存ですが、身体的なダメージを受けることも多い依存です。
行為依存とは特定の行為に執着する依存です。対象はギャンブルやゲーム、買い物や恋愛、スマホやネットなどです。精神的な快楽を得ることが目的となりますが、身体的なダメージは物質依存よりは少ないとされます。しかし。金銭面や人間関係においてのダメージは物質依存よりも多いといえます。